プレスリリース代行会社とは、プレスリリースの企画・原稿作成からメディアへの配信、掲載後のフォローまでを専門会社に任せられるサービスで、自社に広報の実務経験が乏しくても、ニュース性のある発信を継続しやすくなります。ただし対応範囲や費用は会社によって幅があるため、依頼前に業務範囲と料金体系を具体的に比較しておくことが欠かせません。
新商品の発売や資金調達、周年などの節目でメディアに取り上げてもらいたいと考えても、プレスリリースの書き方やメディアへの届け方が分からず、後回しになっている中小企業は少なくありません。自己流で配信しても反応が薄く、かといって広報担当者を新たに採用するほどの業務量でもない、という中間の状態で足踏みしているケースも多く見られます。
この記事では、プレスリリース代行会社に依頼できる業務範囲、利用するメリット、自社で書くべきか代行すべきかの判断基準、失敗しない選び方、費用相場、依頼後に成果が出にくい代行会社を避けるための見極め方までを順に解説します。
プレスリリース代行会社とは?依頼できる業務範囲
プレスリリース代行会社とは、ニュース性のある情報を「報じたくなる切り口」に整理し、原稿作成から配信、メディアへのアプローチまでを一貫して請け負う専門会社です。
原稿作成・企画
発表したい情報を、メディア側が取り上げやすい見出しと構成に整理する業務です。単なる社内発表文とプレスリリースの違いは、読み手であるメディアの担当者が「読者に伝える価値があるか」を判断できる形に翻訳されているかどうかにあります。自社の言いたいことをそのまま並べるだけでは、ニュースとして扱ってもらいにくい点は、代行を検討する際に理解しておく必要があります。
配信・メディアアプローチ
プレスリリース配信サービス(PR TIMESなど)への掲載に加えて、自社の商材と関連性の高いメディアや記者に個別にアプローチする業務です。配信サービスに載せるだけでも情報は公開されますが、実際の掲載につなげるには、その情報を必要としているメディアに直接働きかける動きが別途必要になります。
効果測定・レポーティング
配信後の掲載実績や反響を確認し、次回以降の発信内容に反映する業務です。会社によって対応範囲に差があるため、掲載件数の報告だけなのか、問い合わせ増加などの事業指標まで踏み込んで分析するのかを、契約前に確認しておくと認識のズレを防げます。
自社でプレスリリースの文章そのものを書きたい場合は、プレスリリースの書き方を基本構成から解説した記事も参考になります。
依頼から配信までの流れ
プレスリリース代行の依頼は、問い合わせから配信まで一般的に2〜4週間程度で進みます。
- 問い合わせ・ヒアリング:発表したい情報の概要と、伝えたいターゲット・目的を共有します。この段階で対応可能な業務範囲や概算費用の説明を受けます。
- 企画・切り口の整理:担当者が発表内容をヒアリングし、どの角度からニュースとして提示するかを企画します。ここで自社の強みが十分に引き出せるかどうかが、その後の反響を左右します。
- 原稿作成・すり合わせ:企画に沿って原稿を作成し、事実関係や数値に誤りがないか自社側で確認します。社内の関係部署(法務・広報・事業責任者など)の確認も、この段階で済ませておく必要があります。
- 配信先・タイミングの決定:配信サービスへの掲載に加え、個別にアプローチするメディアや配信タイミング(曜日・時間帯)を調整します。
- 配信・メディアアプローチ:決定した内容で配信し、関連性の高いメディアや記者へ個別に情報を届けます。
- 効果測定・報告:掲載実績や反響をまとめ、次回以降の発信内容や切り口の改善につなげます。
社内の確認プロセスに時間がかかる企業は、原稿作成・すり合わせの工程で想定より日数がかかりやすいため、発表したい時期から逆算して余裕を持って問い合わせておくと、配信タイミングを逃しにくくなります。
プレスリリース代行を利用するメリット
プレスリリース代行を利用する最大のメリットは、メディアとの既存の人脈と「報じたくなる切り口」を見つける経験値を、自社で一から構築せずに活用できる点です。
プレスリリース代行会社は日常的に複数のメディア担当者とやり取りしているため、自社単独ではアプローチしにくい媒体にも情報を届けやすくなります。また、社内の人間では気づきにくい自社の強みを、第三者の視点から「ニュースとして成立する切り口」に整理してもらえることも、実務を肩代わりしてもらう以上の効果といえます。加えて、原稿作成や配信先選定にかかる時間を広報以外の業務に振り向けられるため、専任の広報担当者がいない少人数の企業でも、継続的な情報発信を始めやすくなります。
一方で、外部に実務を任せる分、発表内容の背景や事実関係のすり合わせに一定の時間がかかる点や、依頼を終了すると社内にノウハウが残りにくい点は、あらかじめ理解しておく必要があります。代行会社に丸投げするのではなく、企画段階で自社の担当者が要点をすり合わせることで、社内にも少しずつ「どのような切り口がニュースになりやすいか」の勘所が蓄積していきます。
自社で書くべきか代行すべきかの判断基準
発信するテーマが自社の強みを言語化しやすい内容なら内製、メディアとの接点やニュース化の切り口づくりに不安があるなら代行が向いています。
プレスリリースの文章自体は、テンプレートに沿えば社内でも作成できます。問題になりやすいのは、その情報が本当に「メディアが取り上げたくなる切り口」になっているかどうかの判断です。社内では画期的に感じる発表でも、メディア側の視点では新規性が伝わりにくい書き方になっていることは珍しくありません。文章の巧拙よりも、どの角度からニュースとして提示するかの企画力で結果が大きく変わるため、この部分に自信が持てない段階では、企画から相談できる代行会社を検討する価値があります。
一方で、月1回程度の軽微な発表を継続するだけであれば、無料の配信サービスを使いながら自社で運用し、資金調達や大型リリースなど「絶対に外したくない」場面だけ代行会社に企画から依頼する、という使い分けも現実的な選択肢です。費用をかけずに配信だけ済ませたい場合は、プレスリリース無料配信サービスをまとめた記事もあわせて確認しておくと判断しやすくなります。
プレスリリース代行会社の選び方
プレスリリース代行会社選びで確認すべき基準は、業界・商材への理解、メディアネットワークと実績、企画提案力とレポーティング体制の3点です。
業界・商材への理解
自社と近い業界・商材を扱った実績があるかどうかで、ニュースとして成立しやすい切り口を見つけるスピードが変わります。専門分野に特化した会社と、幅広い業種に対応する総合型の会社のどちらが自社に合うかを、事前に整理しておくと比較しやすくなります。
メディアネットワークと実績
自社が掲載してほしいメディアと、代行会社が実際に関係を築いているメディアが重なっているかを確認します。掲載実績を開示している会社は限られるため、問い合わせ段階で「自社と近い業界での掲載実績」を具体的に尋ねておくと、実態を把握しやすくなります。
企画提案力とレポーティング体制
原稿を清書するだけの会社か、発表内容そのものの企画から関わってくれる会社かで、依頼できる範囲が大きく異なります。配信後にどのような形式・頻度で結果を報告してもらえるかも、継続的に依頼するかどうかの判断材料になります。
見積もりを比較する際は、金額の大小だけでなく「その金額にどこまでの業務が含まれているか」を並べて確認することが欠かせません。原稿作成のみの見積もりと、企画からメディアアプローチまで含む見積もりを同じ表で比較してしまうと、実際には対応範囲が異なるのに価格差だけで判断してしまう、という比較ミスが起きやすくなります。契約前に、業務範囲・納期・追加費用が発生する条件の3点を書面で確認しておくと、依頼後の認識のズレを防げます。
プレスリリース単体ではなく、広報体制そのものを外部に相談したい場合は、PRコンサル会社の選び方を解説した記事で、代行会社との役割の違いを確認しておくと依頼先を選びやすくなります。
プレスリリース代行の費用相場
プレスリリース代行の費用は、原稿作成・配信のみで5万〜15万円、企画からメディアアプローチまで含む一般的な代行で15万〜50万円が目安です。
| 依頼内容 | 主な範囲 | 費用相場 |
|---|---|---|
| 原稿作成・配信代行のみ | プレスリリース原稿の作成と配信サービスへの掲載 | 5万〜15万円 |
| 一般的なプレスリリース代行 | 企画立案・原稿作成・配信・メディアアプローチを一括依頼 | 15万〜50万円 |
| PR戦略立案や広報支援を含む総合プラン | 年間の発信計画づくりや継続的なメディアリレーションを含む | 50万円以上 |
出典:QUERYY「プレスリリース代行会社おすすめ5選」(2026年9月時点)
代行会社を通さず配信ツールのみを使う場合は、都度払いと定額プランの2種類があります。PR TIMESの場合、1件ごとの都度払いは3万円(税別)、月間30件まで利用できる定額プランは月7万円〜(税別、契約期間により変動)が公式料金です。
| プラン | 内容 | 料金 |
|---|---|---|
| 従量課金プラン | 配信1件ごとの都度払い | 3万円/件(税別) |
| 定額プラン(年間契約) | 月間30件まで配信可能 | 7万円〜/月(税別) |
出典:PR TIMES公式サイト 料金プラン(2026年9月時点)
配信ツールの料金は「情報を公開する場所」の費用であり、原稿の質やメディアへの個別アプローチは含まれません。代行会社の費用には、配信ツール利用料に加えて企画・原稿作成・メディアアプローチの人的コストが含まれているという違いを理解した上で比較すると、見積もりの高低だけで判断する誤りを避けやすくなります。
依頼後に成果が出ない代行会社を避けるための見極め方
成果が出にくい代行会社に共通するのは、原稿の清書だけを行い、ニュースとしての切り口づくりや配信後の検証に関与しない点です。
問い合わせ段階で「原稿をこちらで用意すれば、その通りに配信してくれるか」を尋ねたときに、内容の妥当性について何のフィードバックもなく引き受ける会社は、企画面でのサポートを期待しにくい可能性があります。逆に、発表内容についてニュース価値の観点から質問や提案を返してくる会社は、原稿を「清書」ではなく「企画」として扱っている目安になります。また、配信後の掲載結果について「掲載された・されなかった」の報告だけで終わるのか、掲載されなかった場合に次回へどう改善するかまで一緒に考えてくれるのかも、継続して依頼する価値があるかどうかの分かれ目です。
契約前の打ち合わせで自社の事業内容への質問が少ない会社は、テンプレート的な対応になりやすい傾向があるため、初回の打ち合わせでどこまで踏み込んだ質問が来るかを、判断材料の一つにしておくとミスマッチを避けやすくなります。
よくある質問
プレスリリース代行会社の利用を検討する際によく聞かれる質問をまとめました。
Q. プレスリリース代行会社とPR会社の違いは何ですか?
A. プレスリリース代行会社は個別のリリース単位の原稿作成・配信を中心に扱い、PR会社は年間の広報戦略立案まで含めて対応する点が主な違いです。プレスリリース代行会社は1本ごとの発表を実務としてサポートする位置づけが中心で、中長期の広報方針づくりまで相談したい場合はPRコンサルやPR会社が向いています。
Q. プレスリリースを配信すれば必ずメディアに掲載されますか?
A. 配信サービスへの掲載は保証されますが、記者やメディアに実際に取り上げてもらえるかは保証されません。配信は情報を公開する行為であり、報道されるかどうかはメディア側がニュース価値を判断した結果のため、代行会社を使っても掲載が確約されるわけではない点を理解しておく必要があります。
Q. プレスリリース代行会社を利用すべきなのはどのような企業ですか?
A. 広報専任の担当者を置くほどの業務量はないものの、新商品や資金調達などの節目でメディア露出を増やしたい企業に向いています。自社にメディアへのアプローチ経験が乏しい段階では、原稿の質だけでなく配信先の選定まで任せられる点が特に役立ちます。
Q. プレスリリース代行会社を選ぶ際に確認すべきポイントは何ですか?
A. 自社の業界・商材への理解、メディアネットワークと実績、企画提案力とレポーティング体制の3点を確認します。特に、原稿を清書するだけの会社か、発表内容そのものの企画から関わってくれる会社かを、問い合わせ段階で見極めることが重要です。
Q. プレスリリース代行を依頼すると費用はどのくらいかかりますか?
A. 原稿作成・配信のみなら5万〜15万円、企画からメディアアプローチまで含む一般的な代行なら15万〜50万円が目安です。年間を通じた広報支援まで含む総合プランでは50万円以上になることもあるため、依頼したい範囲を先に整理してから見積もりを比較すると判断しやすくなります。
まとめ
プレスリリース代行会社は、原稿作成から配信、メディアアプローチまでを専門会社に任せられるサービスで、自社にノウハウが乏しい段階でもニュース性のある発信を継続しやすくする手段です。選ぶ際は、業界・商材への理解、メディアネットワークと実績、企画提案力とレポーティング体制の3点を確認し、原稿の清書だけで終わらない会社かどうかを問い合わせ段階で見極めることが、依頼後のミスマッチを避ける近道になります。自社に合った依頼範囲や進め方に迷う場合は、お問い合わせフォームから相談してみてください。

